オレンジ・ドワーフ・メキシカンクレイフィッシュ
Cambarus patzcuarensis
特徴と行動
鮮やかなオレンジ色が特徴の小型ザリガニ。最大の特徴はその小ささと穏やかな性格。体長は3〜4cm程度と非常にコンパクト。地面を歩くように動き、隠れ場所を好む。底床を掘ったり、障害物の裏に隠れたりする行動が多い。単独でも飼育可能だが、複数匹でも飼育できる（スペースと隠れ家が十分な場合）。
生息地
自然分布：メキシコ中部の湖（パツクアロ湖）や小川。
環境：水草の多い浅瀬や静かな淡水域。
適正飼育数
1～3匹（十分な隠れ家を設置）
好む餌
沈下性のエビ用ペレット
冷凍赤虫、イトミミズ
茹でた野菜（ズッキーニ、ホウレン草など）
カルシウム源（カトルボーン、砕いたサンゴなど）
【行動】
平和的な性格で、小魚やエビとの混泳も可能（ただし、相手のサイズと性格に注意）
縄張り意識は強くないが、同種間では小競り合いあり
昼夜問わず活動するが、物陰に隠れている時間も多い
脱皮中は非常に無防備で、隠れ家の存在が重要
【特別なケア】
脱皮のためにカルシウムを十分に摂取させる
隠れ場所（流木、土管、石など）を複数配置
脱皮後は共食い防止のため、他個体と隔離するのが理想
飼育水は塩素除去済みの淡水を使用
フィルターの吸い込み防止対策も必要（特に稚ザリ時）
【他の魚との相性】
小型でおとなしい魚種（エンバー・テトラ、ラスボラ、ネオンテトラなど）と相性良好
ヒレをかじることはほとんどないが、狭い環境ではトラブルの可能性あり
エビや他の甲殻類との混泳は注意（縄張り争いや捕食の危険）
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: オレンジ・ドワーフ・メキシカン・クレイフィッシュの繁殖には、最低でも10ガロン（約38リットル）の水槽が推奨されます。水槽には隠れ場所や水草を提供し、クレイフィッシュがリラックスできる環境を作ります。水質パラメーター: 水は中性〜弱アルカリ性（pH 7.0-7.5）、硬度は6-12 dGHが理想的です。フィルター: 水流は強すぎないように、穏やかなフィルターを使用します。クレイフィッシュは静かな環境を好むため、強い水流を避けてください。底砂: 細かい砂や小石を使用し、底が平らで、クレイフィッシュが巣を作るための場所が提供できるようにします。温度: 水温は22-28°C（72-82°F）の範囲で維持します。照明: 通常の照明で問題ありませんが、過度に明るい環境は避け、昼と夜のサイクルを12時間ずつ保つことが重要です。
繁殖準備
食事: オレンジ・ドワーフ・メキシカン・クレイフィッシュには、野菜（ズッキーニやキャベツ）、藻類、乾燥エサ、冷凍エサ（ブラインシュリンプや赤虫）を与えます。バランスの取れた食事を提供することで、健康的に繁殖準備を整えます。
水換え: 水質を安定させるために、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。
スポーニング
繁殖時間: オレンジ・ドワーフ・メキシカン・クレイフィッシュは、通常、水温が22-28°Cで繁殖が活発になります。特に、オスとメスが健康で栄養価の高い食事を与えられると、繁殖活動が促進されます。
卵の数: メスは1回の産卵で30〜50個程度の卵を産むことがあり、卵はメスの腹部に抱えられます。
親の管理: 産卵後、メスは自分で卵を守ります。オスは通常、メスと一緒に生活しますが、親が過度にストレスを感じることなく繁殖するために、別タンクで管理することも選択肢となります。
稚魚の世話
孵化: 卵は約2〜3週間で孵化します。孵化した稚魚は親と同じような外見を持ちますが、最初は非常に小さく、注意深く世話することが必要です。
餌: 稚魚には微細な藻類やインフューソリア、ブラインシュリンプを与えます。
水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが必要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保ちましょう。
重要な考慮点
年齢: オレンジ・ドワーフ・メキシカン・クレイフィッシュは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。
性別の判別: オスはメスよりやや小さく、鋭いハサミを持っています。メスは繁殖期になると、腹部が膨らみ、卵を抱えるため、より目立つようになります。
ストレス管理: クレイフィッシュは非常にストレスに敏感です。過度な刺激を避け、安定した環境を提供することが繁殖成功のカギとなります。繁殖に適した環境を提供するために、静かな水流と清潔な水質を維持してください。