ヴァンパイアクラブ
Geosesarma sp.
特徴と行動
小型で甲幅約2〜3cmほど。鮮やかな紫や黒の体色とオレンジ〜黄色の目が特徴的で“吸血鬼”のような見た目。主に陸上で生活する陸棲カニ（セミテラリウム向け）。夜行性で、昼間はシェルターや石の下に隠れていることが多い。貝を持ち替えることはないが、シェルターの奪い合いなど小競り合いをする場合がある。
生息地
インドネシア、スラウェシ、ボルネオなど東南アジアの熱帯雨林
湿った地表、水たまり、小川沿いの落ち葉の下など
適正な飼育個体数
2～4匹（1匹あたり十分な隠れ家を確保）
好む餌
雑食性：エビ用フード、魚用フレーク、冷凍赤虫、イトメ、野菜くず（ホウレンソウ、ズッキーニ）など
カルシウム源：カトルボーン、砕いたサンゴ、貝殻粉など
【行動】
夜行性：夜間に活発に活動
陸上を主に歩き回るが、水にも浸かることがある（が、水中生活ではない）
縄張り意識があり、特にオス同士では争うこともある
水から脱走する能力が高いため、蓋は必須
【特別なケア】
陸地（ココピート、腐葉土、湿らせた砂など）7～8割、水場2～3割が理想
シェルター（流木、石、ココナッツシェルなど）を複数設置
水場は浅く、脱出可能なスロープや苔を用意
定期的に霧吹きして湿度管理を徹底
塩素除去済みの淡水を使用
フィルター不要だが、汚れた水はこまめに交換
【他の魚との相性】
魚類との混泳は不向き（魚を襲う／襲われる）
他の小型陸棲カニとの混泳は慎重に（隠れ家不足による争いの可能性）
単独または十分に広い環境で少数混泳が理想
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: ヴァンパイア・クラブの繁殖には、最低でも20ガロン（約75リットル）の水槽が推奨されます。水槽には隠れ場所として岩や小枝を配置し、クレイフィッシュがリラックスできる環境を作ります。水槽の一部には湿った環境を提供するため、湿度を保つための場所を作ることも重要です。水質パラメーター: 水は弱アルカリ性〜中性（pH 7.0-8.0）、硬度は6-12 dGHが理想的ですフィルター: 水流は強すぎないように、穏やかなフィルターを使用します。ヴァンパイア・クラブは静かな環境を好むため、過度な水流を避けることが重要です。底砂: 粗い砂や小石を使用し、クレイフィッシュが掘ったり隠れたりできるような環境を提供します。温度: 水温は24-28°C（75-82°F）の範囲で維持します。照明: 通常の照明で問題ありませんが、過度に明るい環境は避け、少し暗い環境を提供することが理想的です。
繁殖準備
食事: ヴァンパイア・クラブには、昆虫、ミミズ、小さな魚、冷凍エサ、野菜（ズッキーニやキャベツ）を与えます。バランスの取れた食事を与えることで、健康的に繁殖準備を整えます。
水換え: 水質を安定させるため、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。
スポーニング
繁殖時間: ヴァンパイア・クラブは通常、温暖な水温（24-28°C）で繁殖が活発になります。オスとメスがペアを作り、繁殖を行います。
卵の数: メスは数十個の卵を産みます。卵はメスの腹部に抱えられ、孵化するまで守られます。
親の管理: 親は産卵後、卵を守りますが、卵を食べることは少ないため、特に親を移動させる必要はありません。卵は2〜3週間後に孵化します。
稚魚の世話
孵化: 卵は約2〜3週間で孵化します。
餌: 稚魚にはインフューソリアや微細なブラインシュリンプを与えることができます。
水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが重要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保ちましょう。
重要な考慮点
年齢: ヴァンパイア・クラブは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。
性別の判別: オスはメスより小さく、体形が細長いです。メスは丸みを帯び、腹部が膨らみます。
ストレス管理: ヴァンパイア・クラブはストレスに敏感で、過度な刺激を避けることが重要です。安定した環境と適切な食事を提供することで、繁殖の成功率が高まります。