タイガーフィッシュ
Datnioides microlepis
特徴と行動
鋭い歯を持ち、銀色の体に黒い縦縞模様が入った迫力ある肉食魚。
「水中のピラニア」「淡水のバラクーダ」とも呼ばれ、非常に獰猛で俊敏。
大型化し、他魚を追いかけて捕食する性質が非常に強い。
ジャンプ力が高く、水槽から飛び出す事故も報告されている。
生息地
アフリカ全域：ザンベジ川、コンゴ川、ナイル川流域など
流れのある大河や湖の表層〜中層に棲息
適正飼育数
単独飼育が基本（同サイズ複数でも注意が必要）
好む餌
生餌：金魚、ドジョウ、小型魚（捕食行動に強い反応）
冷凍魚、切り身、クリル
慣れれば肉食魚用人工ペレットにも餌付く
※他魚との混泳時は混泳魚がすぐ餌になるため注意
【行動】
非常に活発かつ俊敏、高速で突進して獲物を捕らえる
底ではなく中層〜上層を回遊するように泳ぐ
驚くとパニックジャンプを起こしやすく、強い水音に敏感
極めて強いフィッシュイーター気質を持つ
【特別なケア】
強固なフタは必須（アクリル製推奨）
水質を安定させる強力な外部ろ過＋定期換水（週30〜40%）
急な環境変化（pH・温度・照明変化）に弱い
遊泳力が非常に強いため、水槽に流木などの障害物は控えめに
【他の魚との相性】
単独飼育推奨
同サイズ以上の魚（例：大型バラムンディ、アロワナ）との混泳は可能な例もあるが、高リスク
混泳相手は食べられないサイズ＋強健＋遊泳力のある種類に限る
ブリーディングセッティング
別のブリーディングタンク: タイガーフィッシュの繁殖には、最低でも100ガロン（約380リットル）のタンクが推奨されます。水質パラメーター: 水は中程度の硬度（6-12 dGH）、pH6.5-7.5が理想的です。ろ過: 強力な外部フィルターを使用して、良好な水質を維持します。水流は比較的強くても構いませんが、過度に強い水流は避けることが重要です。底砂: 底には細かい砂や小石を使用し、水草や岩を配置して隠れ家を作ります。タイガーフィッシュは広いスペースと隠れる場所を好みます。水温: 24-28°C（75-82°F）の水温が理想的です。照明: 明るい照明を好みますが、隠れ家を提供することで、魚がリラックスできる環境を作ります。
繁殖のためのコンディショニング
食事: 高栄養価のライブ餌や冷凍餌（特に小型魚やブラインシュリンプ）を与え、健康な状態を保ちます。
水替え: 定期的に水替えを行い、水質を清潔で安定させます。特に繁殖期には水質の安定が非常に重要です。
繁殖
繁殖: タイガーフィッシュは自然界では広い川や湖で繁殖します。繁殖時にはオスがメスに対して積極的に求愛行動を示します。
卵: メスは巣に卵を産みつけます。卵の数は繁殖時により変動しますが、数百個の卵を産むことが一般的です。
親の移動: 親魚が卵を食べることがあるため、繁殖後に親魚を別のタンクに移すことが推奨されます。
稚魚のケア
孵化: 卵は通常、3-5日で孵化します。
食事: 稚魚には微細な餌（インフューゾリアや小型のブラインシュリンプ）を与えます。
水質: 稚魚のタンクでは清潔で安定した水質を維持することが非常に重要です。水質が悪化すると、稚魚が死亡する原因となります。
重要な考慮事項
年齢: タイガーフィッシュは通常、1〜2年で繁殖が可能になります。
性別の見分け方: オスはメスより小さく、繁殖期にはより鮮やかな体色を持ちます。メスは比較的大きく、繁殖期には腹部が膨らみます。
ストレス: タイガーフィッシュは非常に活発で、過度のストレスを与えないように注意する必要があります。安定した環境を維持して、繁殖を促進します。