オスカー
Astronotus ocellatus
特徴と行動
シクリッド科に属する中〜大型の人気熱帯魚。
成魚は**力強い体格と個体差ある模様（赤、オレンジ、黒のタイガー模様）**が魅力。
知能が高く、飼い主の姿を認識して寄ってくるなど愛嬌のある行動を見せる。
しかし、縄張り意識が強く、攻撃的な性格を持つため、混泳には注意が必要。
生息地
南アメリカ（アマゾン川流域、パラグアイ川、ネグロ川など）
流れの緩やかな淡水域の底近くや障害物の多いエリア
適正飼育数
単独またはペア／複数は大型水槽＋注意が必要
好む餌
肉食寄りの雑食性
冷凍赤虫、エビ、魚片、カーニボア用ペレット
稚魚期はブライン、成魚は大きな粒餌にも餌付きやすい
過食しやすく肥満・便秘になりやすいので調整が必要
【行動】
縄張り意識が強く、同種・近縁種に対して激しく攻撃することがある
賢く、ガラス越しに人を識別したり、餌の時間を覚えたりする
レイアウトを変える、底砂を掘るなどの**「模様替え」行動がよく見られる**
繁殖期にはペア形成・産卵行動（平らな石に産卵）も可能
【特別なケア】
高栄養＋多糞のため、**強力なフィルターと定期的な水換え（週2回以上推奨）**が必要
シンプルなレイアウト（重めの流木や岩）で水槽を荒らされにくくする
性格・成長速度・水質悪化速度の観点から、単独またはペア飼育が最も安定
病気（特に穴あき病）にかかりやすいので、栄養と水質管理を両立させることが重要
【他の魚との相性】
○：中～大型・頑丈な魚（セベラム、シルバーダラー、プレコなど）
×：ネオンテトラ、グッピー、エビ類などの小型生物（ほぼ確実に捕食される）
同サイズの魚でも、気性が荒い場合は闘争が起きるため、混泳は慎重に判断する
繁殖セットアップ
オスカーの繁殖には、最低でも55ガロン（約200リットル）のタンクが推奨されます。オスカーは比較的大きな魚なので、広いスペースが必要です。タンクには岩やシェルターを配置して、魚が落ち着ける場所を提供します。水は中程度の硬度（6-12 dGH）、pHは6.5-7.5が理想的です。水温は26-30°C (78-86°F)が最適です。オスカーは汚れやすいため、強力なろ過装置が必要です。しかし、過度な水流を避けるために、スポンジフィルターを使用することが理想的です。水質を清潔に保つために、高性能なフィルターが必須です。底砂には砂や小石を使用します。オスカーは底に落ちた餌を食べる習性があるため、底砂は少し粗めのものを選ぶと良いです。また、シェルターとして岩や流木を配置し、魚が隠れられる場所を作ります。水温は26-30°C (78-86°F)に設定します。オスカーは暖かい水を好むため、温度管理は非常に重要です。オスカーは暗めの環境を好むため、強い照明は避け、適度な明るさに調整します
繁殖準備
高品質のペレットや冷凍餌（ブラインシュリンプやミジンコ）、ライブフィッシュを与え、栄養を豊富に摂取させます。繁殖期には高タンパク質の餌を与えることが重要です。オスカーは水質の変化に敏感なので、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。特に繁殖前に水換えを行い、水質を最適に保つことが推奨されます。
産卵
オスカーは通常、繁殖期になるとペアを作ります。産卵は通常、数週間から数ヶ月の間に行われ、産卵時には岩や平らな場所に卵を産みます。メスは約1000～3000個の卵を産むことがあります。卵は岩や平らな場所に産み付けられます。オスは卵を受精させ、卵を守ります。オスカーは親魚が卵を守るため、卵が孵化した後に親魚を取り出すことは必要ありません。ただし、他の魚が卵を食べないように親魚がしっかりと卵を守ります。
稚魚の世話
卵は約4-7日で孵化します。孵化した稚魚は最初は底に落ちて泳ぎ始め、やがて活発に泳ぎ回るようになります。稚魚にはインフゾリアや非常に細かいブラインシュリンプを与えます。稚魚が成長してきたら、少しずつ他の餌を与えていきます。稚魚用タンクでは水質を清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。水質が悪化すると稚魚が死んでしまうことがあるため、特に注意が必要です。
重要な考慮事項
オスカーは通常、1年半～2年で繁殖可能になります。オスカーは成長が早く、安定した環境で繁殖に適した状態を作ることが重要です。オスカーのオスはメスよりもやや小さめで、背鰭が大きく発達しており、体に鮮やかな色が現れます。メスは比較的大きく、腹部が膨らんでいるのが特徴です。オスカーはストレスに敏感です。過密飼育や急激な環境変化を避け、安定した環境を提供することが非常に重要です。また、繁殖中は親魚を刺激しないように注意します。