ライヤーテール・ソードテール

Xiphophorus hellerii

特徴と行動

ソードテールの改良品種で、上下の尾びれが大きく伸び、ライヤー(竪琴)のような形状をしているのが特徴。

オスは通常のソードテール同様に尾びれ下部が「剣状」に長く伸びるが、加えて尾びれ上部も伸長している。

メスもヒレがやや伸び、全体的に優雅な印象。

性格は基本的に温和で、コミュニティタンクに適応しやすい。

通常のソードテールに比べて泳ぎはやや鈍重だが、観賞価値が高い。

 

生息地

改良品種のため自然界には存在せず、観賞魚用として世界各地で養殖。

原種は**中米(メキシコ〜ホンジュラス)**の川や小水路に分布。

 

適正飼育数

1ペア~ハーレム(オス1:メス2~3が理想)

好む餌

植物質を含むフレーク、グッピー・モーリー用のペレット

冷凍ブラインシュリンプ、ミジンコ、赤虫(副食として)

発色を促す色揚げフードも有効

【行動】
穏やかで活発。中層~上層をよく泳ぐ

繁殖期にはオスがメスを追う行動をとる

オス同士で軽いけん制行動あり(ソード部分を誇示)

尾びれをかじられると美しさが損なわれやすいため、混泳相手に注意

【特別なケア】
ライヤーフィンは傷つきやすく再生しにくいため、ヒレかじり魚(スマトラ等)との混泳はNG

水草や流木で隠れ場所を作るとストレス軽減

稚魚が生まれやすいため、水草やモスマットなど稚魚の避難場所を設置すると◎

 

【他の魚との相性】
○:グッピー、プラティ、コリドラス、小型テトラ、オトシンクルスなど温和な魚種

×:ベタ、スマトラ、バーブ類(ヒレかじり癖のある魚)

 

繁殖セットアップ

ライアーテール・ソードテールの繁殖には、最低でも20ガロン(約75リットル)のタンクが推奨されます。タンク内には水草やシェルターを配置して、魚が隠れられる場所を提供します。水は中程度の硬度(6-12 dGH)、pHは7.0-8.0が理想的です。水温は24-28°C (75-82°F)が最適です。水流が強すぎないようにスポンジフィルターを使用することが推奨されます。水質を清潔に保ちつつ、水流は穏やかに保ちます。細かい砂や小石を底砂として使用し、繁殖を促進するために、水草や小さな岩を配置します。隠れ場所としてシェルターを提供することが重要です。水温は24-28°C (75-82°F)に設定します。明るい照明を使用して水草の育成を促進します。強い直射日光を避け、適度な明るさに調整します。

 

繁殖準備

高品質のフレークやペレット、ライブ餌(ブラインシュリンプ、インフゾリアなど)を与えて、健康状態を維持します。特に繁殖前には、高タンパク質の餌を与えることが重要です。水質を安定させるために定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。水換えを行い、水質を最適に保つことが推奨されます。

 

産卵

ライアーテール・ソードテールは通常、繁殖期になるとオスがメスに求愛し、産卵を促進します。オスはメスに近づいて、特徴的なディスプレイを行い、メスに産卵を促します。ライアーテール・ソードテールは卵胎生の魚で、メスは卵を体内で孵化させてから、稚魚を直接生みます。メスは最大で20匹ほどの稚魚を産むことができます。親魚は稚魚を守りませんので、産卵後、稚魚が親魚によって食べられるのを防ぐために、親魚を取り出すことをお勧めします。

 

稚魚の世話

孵化 (Incubation):
ライアーテール・ソードテールは卵胎生であるため、卵はメスの体内で孵化します。稚魚は親から直接生まれ、すぐに泳ぎ始めます。

餌 (Feeding):
稚魚にはインフゾリアや非常に細かいブラインシュリンプを与えます。稚魚が成長したら、小さな冷凍餌やドワーフクレクレを与えることができます。

水質 (Water Quality):
稚魚用タンクでは水質を清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。水質が悪化すると稚魚が死んでしまうことがあるため、特に注意が必要です。

 

重要な考慮事項

ライアーテール・ソードテールは通常、4~6ヶ月で繁殖可能です。オスはメスよりも小さく、鮮やかな色合いを持ち、尾ビレが長く、特徴的な剣状の尾を持っています。メスは体が丸みを帯びており、繁殖期には腹部が膨らんでいます。ライアーテール・ソードテールはストレスに敏感で、過密飼育や急激な環境変化を避け、安定した環境で飼育することが非常に重要です。

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