アガシジィ・ドワーフシクリッド

Apistogramma agassizii

特徴と行動

アピストグラマ属の中でも特に人気が高い小型美麗なドワーフシクリッド。

オスは体長約7〜9cmで尾びれや体側に鮮やかな青・赤・黄色の発色が見られる。

メスは地味な黄色ベースだが、繁殖期には鮮やかな黄色+黒の模様が出る。

性格はやや神経質で縄張り意識が強いが、サイズ的には温和な部類。

繁殖時にはメスが卵を守り、オスが周囲を警戒するペア育成型の繁殖スタイルを取る。

 

生息地

南アメリカ・アマゾン川支流(ペルー、ブラジル、コロンビアなど)

枯葉が堆積したブラックウォーターの弱酸性・低ミネラルの水域

 

適正飼育数

ペア飼育が理想(複数飼育は水槽サイズと隠れ家数による)

好む餌

冷凍赤虫、ブラインシュリンプ、ミジンコなどの生餌・冷凍餌

小型魚用高タンパクペレットやグラニュール餌

人工飼料にも慣れやすいが、色揚げには生餌が効果的

 

【行動】
底層〜中層を中心に泳ぐが、水草の隙間などを好んで行動

縄張りを持つが、攻撃性は中程度(同属や同サイズには注意)

繁殖期になるとメスが卵を守り、オスは外敵を追い払う

落ち着いた環境では非常に魅力的な発色とダンスのような行動を見せる

 

【特別なケア】
流木・落ち葉・土管・ヤシの殻などで隠れ家を複数設置

ブラックウォーター環境(ピート抽出液、アーモンドリーフなど)が◎

フィルターは弱め+ディフューザーで強い水流を避ける

水換えは少量ずつ、水質変化を避けながら丁寧に

【他の魚との相性】
○:小型テトラ、オトシンクルス、コリドラス(攻撃的でない種)

×:同属の他アピスト、エンゼルフィッシュ、ベタなど気性の強い魚

◎:単独ペア飼育が最も美しさを引き出せる

 

繁殖セットアップ

アガシジィ・ドワーフ・シクリッドの繁殖には、最低でも20ガロン(約75リットル)のタンクが推奨されます。タンク内にはシェルターや岩、水草を配置し、魚が落ち着いて繁殖できる環境を作ります。水は柔らかく、硬度は2-8 dGH、pHは6.0-7.0が理想的です。水温は24-28°C (75-82°F)が最適です。水流が強すぎないように、スポンジフィルターを使用することが推奨されます。水質を清潔に保ちながら、過度な水流は避けるようにします。細かい砂や小石を底砂として使用します。シェルターとして流木や岩を配置し、巣を作りやすい環境を提供します。水温は24-28°C (75-82°F)に設定します。柔らかな照明が適しています。アガシジィ・ドワーフ・シクリッドは比較的暗い環境を好むため、明るすぎない照明を使用します。

 

繁殖準備

餌 (Diet):
高品質のフレークやペレット、冷凍餌(ブラインシュリンプやミジンコなど)、ライブ餌を与えて、健康状態を維持します。繁殖前には高タンパク質の餌を与えることが重要です。

水交換 (Water Changes):
水質を安定させるため、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。特に繁殖前には水換えを行い、水質を最適に保つことが推奨されます。

 

産卵

アガシジィ・ドワーフ・シクリッドは、安定した水温と水質が整うと繁殖します。オスはメスに対して求愛行動を示し、巣穴を作り、メスを誘います。メスは数十個の卵を産み、卵は巣穴の中に産み付けられます。オスは卵を受精させ、卵を守ります。アガシジィ・ドワーフ・シクリッドは非常に保護的な性格を持ち、親魚が卵や稚魚を守ります。基本的に親魚は取り出さなくても問題ありませんが、他の魚が稚魚に近づかないようにすることが大切です。

 

稚魚の世話

卵は約3-4日で孵化します。孵化した稚魚は最初は非常に小さく、親の保護下で育てられます。稚魚には非常に細かいブラインシュリンプやインフゾリアを与えます。稚魚が成長したら、少しずつ他の餌を与えていきます。稚魚用タンクでは水質を清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。水質が悪化すると稚魚が死んでしまうことがあるため、特に注意が必要です。

 

重要な考慮事項

アガシジィ・ドワーフ・シクリッドは通常、1歳を過ぎると繁殖が可能になります。オスは色が鮮やかで、体が小さく、ひれが長く広がります。メスはオスよりも体が太く、丸みを帯びていて、繁殖期には腹部が膨らんでいます。アガシジィ・ドワーフ・シクリッドはストレスに敏感です。過密飼育や急激な環境変化を避け、安定した環境で飼育することが非常に重要です。

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