エレクトリックブルー・ジャックデンプシー
Rocio octofasciata (variasi Electric Blue)
特徴と行動
原種のジャックデンプシーの改良品種で、全身が鮮やかなメタリックブルーに輝く中型シクリッド。
原種よりもやや小型で性格も温和化されており、混泳がしやすくなっている。
成熟個体ではヒレも青く発色し、体表の輝きがとても美しい。
名前の由来はアメリカのボクサー「ジャック・デンプシー」にちなむが、本種は改良された「温和なバージョン」。
生息地
中南米（ホンジュラス、グアテマラ）原産のRocio octofasciataをもとに
人為的に作出された改良品種で、自然界には存在しない
適正飼育数
単独飼育またはペア／混泳時は十分なスペースが必要
好む餌
肉食傾向の雑食性：シクリッド用ペレット
冷凍赤虫、クリル、ブラインシュリンプ、大粒人工飼料
発色維持には高タンパク＋カロチノイド配合の餌が効果的
【行動】
原種に比べ比較的温和で、混泳も可能だが
テリトリー意識はあり、狭い空間では小競り合いが起きやすい
ペア形成すると強固なつながりを見せ、産卵・子育ても行う
底床を掘る行動があるため、植栽水草は不向き
【特別なケア】
レイアウトは岩・流木・土管などを使って隠れ家を複数配置
大きくなるため、ろ過能力の高いフィルターを使用し水質安定を保つことが重要
底床の砂利やソイルは掘り返される前提で設計
水質急変には比較的強いが、定期的な換水（週25～30％）は必須
【他の魚との相性】
相性良好：同サイズの中型シクリッド（エンゼル、セベラムなど）、プレコ類
NG：小型魚（テトラ、グッピーなど）や性格の荒い魚（グリーンテラーなど）
同種間混泳はテリトリー争いに注意
分けた繁殖用タンク
エレクトリックブルージャックデンプシーの繁殖には、最低でも75ガロンのタンクを推奨します。水は中程度の硬度（6-10 dGH）、pHは6.5-7.5が理想的です。強力なろ過装置が必要ですが、流れを避けるためにスポンジフィルターが最適です。砂や小石を底砂として使用し、繁殖場所にはシェルターとして岩を配置します。水温は24-28°C (75-82°F)に設定します。明るい照明は必要ありません。適度な照明が望ましいです。
繁殖準備
ライブ餌や高品質のフレーク、冷凍餌（ブラインシュリンプ、ミジンコなど）を与え、十分に栄養を与えます。水質維持のために定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。
産卵
エレクトリックブルージャックデンプシーは夜間に産卵することが一般的です。雌は200-500個の卵を産むことがあります。親魚は卵を守るために繁殖巣にとどまりますが、孵化後、繁殖の妨げとなるため、慎重に親魚を取り出します。
稚魚の世話
卵は約3-4日で孵化します。稚魚には、インフュソリアや非常に細かいブラインシュリンプを与えるのが良いです。稚魚用タンクの水質を清潔に保ち、酸素供給をしっかり行います。
重要な考慮事項
エレクトリックブルージャックデンプシーは通常、1歳以上で繁殖可能です。オスは体が大きく、色が鮮やかな青色を帯び、顎が発達しています。メスは比較的小柄で、体の色が少し薄い傾向があります。過度のストレスを避けることが非常に重要です。水質やタンクの配置に十分配慮し、他の魚との共存を避けることをお勧めします。