ファイア・イール

Mastacembelus erythrotaenia

特徴と行動

長いウナギのような体形で、暗褐色の体に鮮やかな赤〜オレンジの縞模様や斑点が入る美しい大型魚。

成魚では全長50〜90cmにも達する。幼魚時は控えめな体色だが、成長とともに発色が鮮烈になる。

臆病でおとなしいが、夜行性で活発に底砂を掘ったり隠れ家を出入りする。

比較的賢く、餌を与える人を認識することもある。

 

生息地

東南アジア(インド、タイ、ミャンマー、インドネシア)

泥底の川・湖・沼など、流れが穏やかで底質が柔らかい淡水域に生息

 

適正飼育数

単独または非常に穏やかな魚との混泳が理想

好む餌

肉食性:冷凍赤虫、クリル、ブライン、冷凍エビ、小魚(活餌も可能)

成魚は生餌を好む傾向があるが、慣れれば人工飼料も可

※餌付きには時間がかかる場合あり、根気強く餌慣れ訓練が必要

 

【行動】
夜行性。日中は流木や土管などの隠れ場所に潜んでいることが多い

地面を這うように移動し、底砂を掘る行動がある

水面近くに興味を示し、飛び出し事故が多発するためフタは必須

比較的穏やかな性格だが、小型魚や甲殻類を捕食するおそれがある

 

【特別なケア】
しっかり密閉できるフタを必ず設置(夜間の飛び出し事故を防ぐ)

底砂は細かく柔らかいもの(サンド系)を使用

土管・パイプ・流木などの体が収まる隠れ家を複数用意

幼魚はやや神経質。導入初期は照明を落とし、ストレスを軽減

餌付かない場合は活餌から徐々に慣らす

 

【他の魚との相性】
○:中〜大型で温和な魚(セベラム、エンゼル、プレコ、シルバー・ドルフィンなど)

△:ヒレをかじる魚(スマトラ、レッドテールシャークなど)には注意

×:グッピー、テトラ、小型エビ・魚は捕食対象になる可能性大

同種同士の混泳は不可(縄張り争い・噛み合いが発生)

繁殖セットアップ

ファイアイールの繁殖には、最低でも100ガロンのタンクが必要です。広いスペースと隠れ場所を提供することが重要です。水は中程度の硬度(5-12 dGH)、pHは6.5-7.5が理想です。水温は24-30°C (75-86°F)の範囲が最適です。強力なろ過装置が必要ですが、あまり強い水流を避けるようにしましょう。スポンジフィルターが最適です。底は柔らかい砂を使用します。ファイアイールは底に隠れる習性があるため、隠れ場所として岩や流木を配置します。水温は24-30°C (75-86°F)に設定します。温暖な環境を保つことが大切です。照明は暗めに設定し、魚がリラックスできる環境を整えます。

 

繁殖準備

高品質な冷凍餌(ドワーフクレクレや冷凍ブラインシュリンプなど)、ライブフィッシュを与えて、繁殖に備えた健康状態を維持します。水質維持のため、定期的な水換えが推奨されます。

 

産卵

ファイアイールは通常、夜間に産卵を行います。水温が安定していると、繁殖が促進されます。メスは数百個の卵を産むことがあります。卵は底に産み付けられ、親魚が卵を守ります。産卵後、親魚を取り出すことは一般的ではありませんが、卵を守るために親魚を監視する必要があります。

 

稚魚の世話

卵は約48時間以内に孵化します。孵化した稚魚は、親魚に守られますが、注意深く見守る必要があります。稚魚には非常に細かいブラインシュリンプや、インフュソリアを与えます。稚魚が成長してきたら、小さなドワーフクレクレや冷凍餌を与えます。稚魚用タンクの水質を常に清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。

 

重要な考慮事項

ファイアイールは1年を超えた時点で繁殖が可能です。成熟には時間がかかるため、しっかりと育てることが大切です。オスはメスよりもやや細長く、色が鮮やかで、背鰭の形が異なることが特徴です。メスは丸みを帯びており、腹部が膨らんでいることがあります。ファイアイールはストレスに敏感なので、繁殖時には安定した環境を保ち、他の攻撃的な魚と一緒に飼うことは避けるべきです。

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