グリーンテラー

Aequidens rivulatus

特徴と行動

名前の通り、緑色や青緑のメタリックな体色と、繁殖期に見られる**オスの大きな額こぶ(ヌッチ)**が特徴的な中~大型シクリッド。

オスはヒレや体にオレンジ~赤の縁取りが入り非常に美しくなる。

攻撃性・縄張り意識が非常に強く、混泳は慎重を要する。

見た目の美しさと対照的に、その「暴君」ぶりから「テラー(恐怖)」の名を冠している。

 

生息地

**南米(エクアドル、ペルー)**の川や水路

主に流れのゆるやかな淡水域、植物や石の多い環境

 

適正飼育数

単独、またはペア飼育(混泳は極めて慎重に)

 

好む餌

肉食性が強い雑食

高タンパクなシクリッドペレット、冷凍赤虫、クリル、小魚(与えすぎ注意)

色揚げ用の人工飼料や生餌の併用で発色を強化可能

 

【行動】
非常に縄張り意識が強く、テリトリーに入る魚を激しく攻撃

単独ではよく慣れ、飼育者によくなつくペット性もある

繁殖期は特に攻撃的で、同種ペアすら殺し合うこともある

底砂を掘り返したり、石を動かしたりとレイアウト破壊行動も頻繁

 

【特別なケア】
頑丈で動かないレイアウトを推奨(岩組み・流木は重く安定したものを)

ろ過能力の高い外部フィルター+定期的な水換え(週1回30~40%)が必須

水槽内に隠れ家や視界を遮る構造物を配置するとストレス軽減

オス同士の混泳は不可。ペア飼育も慎重な観察が必要(隔離ケージ導入も検討

【他の魚との相性】
○:プレコ、大型ナマズ、よく隠れる中型魚(慎重に観察)

×:小型魚(餌になる)、同サイズ以下のシクリッド(虐待対象になる)

×:エンゼル・ディスカスなど温和な魚種とは絶対NG

 

繁殖セットアップ

グリーン・テラー・シクリッドの繁殖には、最低でも55ガロン(約200リットル)のタンクが推奨されます。タンク内にはシェルターや隠れ場所として岩や流木を配置し、魚が落ち着いて繁殖できる環境を作ります。水は硬水で、硬度は10-15 dGH、pHは7.0-8.0が理想的です。水温は24-30°C (75-86°F)が最適です。強力なろ過装置が必要ですが、過度な水流は避けることが重要です。高性能フィルターを使用して水質を清潔に保ちつつ、流れは穏やかに保ちます。底砂には細かい砂や小石を使用し、隠れ場所として岩や流木を配置します。グリーン・テラーは巣穴を作るため、広いスペースと安定したシェルターが必要です。水温は24-30°C (75-86°F)に設定します。照明は強すぎない適度な明るさに設定します。グリーン・テラーは比較的落ち着いた環境を好むため、強い光は避けた方が良いです。

 

繁殖準備

高品質のフレークやペレット、ライブ餌(ブラインシュリンプ、ミジンコなど)、冷凍餌を与えて、健康状態を維持します。繁殖前には高タンパク質の餌を与えることが重要です。水質を安定させるため、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。繁殖前には水換えを行い、特に水温と水質が安定していることを確認することが推奨されます。

 

産卵

グリーン・テラーは水温が高いときに繁殖を開始します。オスは鮮やかな色を出し、メスに対して積極的に求愛します。オスは巣を作り、メスをその中に誘います。メスは数百個の卵を産むことがあり、卵は巣の中に産み付けられます。オスは卵を受精させ、その後卵を守ります。グリーン・テラーは親魚が卵や稚魚を守るため、親魚を取り出す必要はあまりありません。親魚が卵や稚魚を保護するため、巣を守る環境を作ることが重要です。

 

稚魚の世話

卵は約3-4日で孵化します。孵化した稚魚は最初は非常に小さく、親魚によって守られます。稚魚にはインフゾリアや非常に細かいブラインシュリンプを与えます。稚魚が成長してきたら、小さな冷凍餌やドワーフクレクレを与えることができます。稚魚用タンクでは水質を清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。水質が悪化すると稚魚が死んでしまうことがあるため、特に注意が必要です。

 

重要な考慮事項

グリーン・テラー・シクリッドは通常、1歳半から2年で繁殖が可能になります。オスはメスよりも体が大きく、鮮やかな色合いを持ち、ひれが広がっています。メスは体が太く、繁殖期には腹部が膨らみます。グリーン・テラーはストレスに敏感で、過密飼育や急激な環境の変化は繁殖に悪影響を与えることがあります。安定した環境と適切な水質が繁殖を促進するため非常に重要です。

Shopping Cart 0

No products in the cart.