ハーリクイン・ラスボラ
Trigonostigma heteromorpha
特徴と行動
外見：体長約4～5cm。光沢のあるピンク〜オレンジがかった体色に、体の後半部に黒い三角模様（ハーリクイン＝道化師の衣装模様）が入るのが特徴。性格：非常に温和で、群れで泳ぐ性質が強い。泳ぎが安定しており、レイアウト水槽との相性も良好。行動：昼行性。群れの中心を意識して動くため、6匹以上での群泳が推奨される。
生息地
分布：マレー半島、スマトラ、ボルネオなど, 環境：黒水に近い弱酸性の軟水域。落ち葉や水草の多い環境に生息
飼育個体数
最低6匹以上（10匹以上で自然な群れ）
好む餌
小粒の人工飼料（フレーク・マイクロペレット, 冷凍赤虫、ブラインシュリンプ、ミジンコなどもよく食べる
【行動】
平和的：他の小型テトラやラスボラ、コリドラスなどと混泳しやすい, 群れることで落ち着き、色つやや行動も安定, 単独だと臆病になり、物陰に隠れることが多くなる
【特別なケア】
水質の急変に敏感なため、水換えは少量ずつ定期的に, 浮き草や水草が多いレイアウトで落ち着きやすい, 光が強すぎない環境が発色に適している, 繁殖を狙う場合は、やや低めのpHと柔らかい水が良い
【他の魚との相性】
良好。ネオンテトラ、エンバーテトラ、プラティ、コリドラスなどと相性抜群。ベタや攻撃性の強いシクリッド類は避けた方がよい。
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: ハーレクイン・ラスボラの繁殖には、最小でも10ガロン（約38リットル）の水槽が推奨されます。水槽には水草や隠れ場所を提供し、落ち着いた環境を作ります。水質パラメーター: 水は軟水で、硬度は1-6 dGH、pHは6.0-7.5が理想的です。フィルター: 水流が強すぎないように、スポンジフィルターを使用します。水流が穏やかで、繁殖に最適な環境を保ちます。底砂: 細かい砂や小石を使用し、卵が底に付着できるようにします。温度: 水温は24-28°C（75-82°F）で維持します。照明: 明るい照明が必要ですが、過度な光は避け、12時間の昼と12時間の夜のサイクルを整えます。
繁殖準備
食事: ハーレクイン・ラスボラには生きたエサや冷凍エサ、ブラインシュリンプを与えて、健康的な状態に保ちます。栄養価の高い餌を与えることで繁殖の準備を整えます。水換え: 水質を保つため、定期的に水換えを行います。水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。
スポーニング
繁殖時間: ハーレクイン・ラスボラは通常、早朝に繁殖します。特に温暖な水温で繁殖が活発になります。卵の数: メスは1回の産卵で20〜30個の卵を産むことがあります。卵は水草や底に産みつけられます。親の管理: 産卵後、親を取り除くことが重要です。親が卵を食べることがあるため、卵を守るために親を別のタンクに移すと良いでしょう。
稚魚の世話
孵化: 卵は約24〜48時間で孵化します。餌: 稚魚にはインフューソリアやブラインシュリンプを与えることができます。水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが必要です。定期的に水換えを行い、水質を維持しましょう。
重要な考慮点
年齢: ハーレクイン・ラスボラは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。性別の判別: オスは細長く、鮮やかな色合いが特徴です。メスはやや太く、腹部が膨らんでいる傾向があります。ストレス管理: ハーレクイン・ラスボラは群れで生活するため、過度なストレスを与えないようにし、群れを維持することが繁殖の成功に繋がります。