アップサイドダウン・キャットフィッシュ
Synodontis nigriventris
特徴と行動
名前の通り、体を逆さにして泳ぐ習性があり、天井に張り付くように泳ぐ姿がユニーク。
お腹側が黒っぽく背中が明るい「逆カウンターシェーディング」で、逆さ泳ぎに適応した体色をしている。
夜行性で、昼間は流木や岩陰、水草の下で休むことが多い。
性格は穏やかで、同種・他種に対して攻撃性はほぼない。
生息地
アフリカ中西部：コンゴ川流域、ウガンダ、カメルーンなど
ゆるやかな流れのある川や湖、流木・水草が豊富な環境に生息
適正飼育数
単独でも可、3〜5匹のグループ飼育が理想
好む餌
沈下性のキャットフィッシュ用ペレット
冷凍赤虫、ブラインシュリンプ、ミジンコなど
夜間に活動するため、照明を落とした後に給餌するのが効果的
【行動】
中層〜底層で活動し、逆さまに泳ぎながら流木の裏を探るように移動
群れでいると安心し、活発な様子が見られる
温和で他魚を追い回すことはないが、夜間に動くため驚かせることも
活発さは水槽内の構造（隠れ家）と安心感に依存
【特別なケア】
流木・シェルター・水草などの隠れ場所を多数設置する
弱めの水流とやや暗めの照明が適する
繊細ではないが、水質悪化や急変は避けるべき
上部開口部からの飛び出し防止にフタが必要
【他の魚との相性】
非常に良好：テトラ類、ラスボラ、コリドラス、小型レインボーフィッシュなど
NG：攻撃的・大型肉食魚（追われる、捕食されるおそれ）
同種間では争いも少なく、小グループ飼育がおすすめ
ブリーディングセッティング
別のブリーディングタンク: アップサイドダウンキャットフィッシュの繁殖には、最低でも30ガロン（約114リットル）のタンクが推奨されます。水質パラメーター: 水は中程度の硬度（6-12 dGH）、pH6.5-7.5が理想的です。ろ過: 強力な外部フィルターを使用して水流を管理し、良好な水質を維持します。水流は穏やかに保つことが重要です。底砂: 底には細かい砂や小石を使用し、水草や岩を配置して隠れ家を作ります。アップサイドダウンキャットフィッシュは隠れる場所を必要とするため、巣や隠れ家を提供することが重要です。水温: 24-28°C（75-82°F）の水温が理想的です。照明: 明るい照明を好みますが、隠れ家を提供することで魚がリラックスできる環境を作ります。
繁殖のためのコンディショニング
食事: 高品質のライブ餌や冷凍餌（特にブラインシュリンプや赤虫）、野菜を与え、健康な状態を保ちます。
水替え: 定期的に水替えを行い、水質を清潔で安定させます。繁殖前に水質を安定させることが非常に重要です。
繁殖
繁殖: アップサイドダウンキャットフィッシュは通常、ペアで繁殖します。オスがメスにアピールし、巣を作ります。
卵: メスは巣に数百個の卵を産みつけることがあります。卵は巣の中で守られ、オスが保護します。
親の移動: 親魚が卵を食べることがあるため、繁殖後に親魚を取り除くことが推奨されます。
稚魚のケア
孵化: 卵は通常、3-4日で孵化します。
食事: 稚魚には微細な餌（インフューゾリアや小型ブラインシュリンプ）を与えます。
水質: 稚魚のタンクでは清潔で安定した水質を維持することが非常に重要です。水質が悪化すると、稚魚が死亡する原因となります。
重要な考慮事項
年齢: アップサイドダウンキャットフィッシュは通常、1-2年で繁殖が可能になります。
性別の見分け方: オスはメスよりも少し小さく、繁殖期には体が鮮やかな色を持つことがあります。メスは比較的大きく、腹部が膨らみます。
ストレス: 魚に過度のストレスを与えないようにし、安定した環境で繁殖を促進します。