ホワイトクラウドマウンテンミノー
Tanichthys albonubes
特徴と行動
外見：体長は約3〜4cm。銀白色の体に、尾ビレに赤と黒の模様、背中にわずかな虹色の輝き。改良品種に「ゴールデンタイプ」や「ロングフィン」も存在。
性格：穏やかで丈夫。小型魚ながら群れで泳ぐ様子が美しく、低水温にも強いため飼育しやすい。
生息地
分布：中国・広東省の「白雲山（ホワイトクラウドマウンテン）」周辺
環境：清流や小川など、水温が比較的低く酸素の多い環境に生息
飼育個体数
最低6匹以上（群れで飼うと安心して泳ぐ）
好む餌
フレークフード、小粒ペレットなどの人工飼料
冷凍赤虫、ブラインシュリンプ、ミジンコなども喜ぶ
水面〜中層で餌を食べる習性がある
【行動】
常に中層〜上層を泳ぎ回る活発な魚
群れでの行動が多く、集団で泳ぐ姿が魅力
オス同士でヒレを広げ合う「フィンディスプレイ」を見せることもある
【特別なケア】
高温にはやや弱いため、夏場のクーリング対策が必要な場合あり
水流と酸素量をしっかり確保（スポンジフィルターや外掛け式推奨）
飼育は容易だが、高水温・汚れた水質は短命の原因に
【他の魚との相性】
相性 内容
◎ コリドラス、ラスボラ、ドワーフグラミー、小型エビなど
△ ベタ、アピスト、フィンをかじる性質のある魚は注意
× 高水温を好む熱帯魚との混泳（例：ディスカスなど）は非推奨
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: ホワイトクラウドマウンテン・ミノーの繁殖には、最低でも10ガロン（約38リットル）の水槽が推奨されます。水槽には水草や小さな岩などの隠れ場所を提供し、ストレスを減らす環境を整えます。水質パラメーター: 水は軟水で、硬度は4-12 dGH、pHは6.0-7.5が理想的です。フィルター: 水流が強すぎないように、スポンジフィルターを使用します。穏やかな水流が繁殖に適しています。底砂: 細かい砂や小石を使用し、卵が底に付着できるようにします。温度: 水温は18-24°C（64-75°F）の範囲で維持します。照明: 明るい照明を使用し、昼と夜のサイクルを12時間ずつ保つことが重要です。
繁殖準備
食事: ホワイトクラウドマウンテン・ミノーには生きたエサや冷凍エサ（ブラインシュリンプや赤虫）、高品質なフレークフードを与えます。栄養価の高い餌を与えることで、健康的な状態を保ち、繁殖準備を整えます。
水換え: 水質を安定させるために、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。
スポーニング
繁殖時間: ホワイトクラウドマウンテン・ミノーは、温暖な水温（20-24°C）で繁殖が活発になります。通常、朝方や夜間に産卵が行われます。
卵の数: メスは1回の産卵で20〜50個の卵を産むことがあり、卵は水草や底に産みつけられます。
親の管理: 産卵後、親を取り除くことが推奨されます。親が卵を食べることがあるため、卵を守るために親を別タンクに移すことが望ましいです。
稚魚の世話
孵化: 卵は約24〜48時間で孵化します。
餌: 稚魚にはインフューソリアや微細なブラインシュリンプを与えることができます。
水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが必要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保ちましょう。
重要な考慮点
年齢: ホワイトクラウドマウンテン・ミノーは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。
性別の判別: オスは体が細長く、鮮やかな色を持ち、繁殖期にはさらに色が鮮やかになります。メスは丸みを帯び、体形がふっくらしています。
ストレス管理: ホワイトクラウドマウンテン・ミノーは群れで生活するため、過度なストレスを避け、群れを維持することが繁殖成功のカギとなります。