ピノキオ・シュリンプ
Caridina cf. cantonensis
特徴と行動
名前の由来は、前方に長く伸びた「鼻（ロストラム）」。
体色は透明で、赤いラインが背中に走る個体もあり、非常に繊細で美しい。
動きはおとなしく、底砂や水草の上でコケや微生物を食べる。
他のシュリンプよりもやや敏感かつ汽水傾向がある種類。
生息地
東南アジアの河口やマングローブ汽水域
汽水～弱塩水環境に自然分布
適正飼育数
3～6匹以上（単独飼育も可能）
好む餌
微細藻類、バイオフィルム
シュリンプ用沈下フード（低タンパク）
茹でた野菜（ズッキーニ、ほうれん草）なども少量可
※コケ取り能力はそれほど高くないため、補助給餌は必要
【行動】
おとなしく非攻撃的
時折浮遊しながら水流に乗って泳ぐ様子も見られる
「鼻」を使って砂の間を探るような動きが特徴的
他種エビとの混泳でもトラブルは少ないが、ストレスに弱い
【特別なケア】
導入時は水合わせを丁寧に（2〜3時間かけて点滴法）
汽水環境での方が長期飼育が安定しやすい
銅を含む薬品・水質調整剤は厳禁
飛び出すことがあるためフタ必須
水流は弱めかつ死水域のない環境を好む
【他の魚との相性】
良好：ピグミーコリドラス、オトシン、ラスボラなど温和な小型魚
NG：グラミー、アピスト、スマトラ、ベタなど攻撃性のある魚
エビ同士でも混泳可能（ただしグレード違いで交雑しない）
ブリーディングセッティング
別のブリーディングタンク: ピノキオシュリンプの繁殖には、最低でも10ガロン（約38リットル）のタンクが推奨されます。水質パラメーター: 水は非常に柔らかく、硬度1-4dGH、pH6.5-7.5が理想的です。ろ過: スポンジフィルターを使用して穏やかなろ過を行い、強い水流を避けます。シュリンプは水流が強すぎるとストレスを感じやすいので、穏やかな環境が必要です。底砂: 底には細かい砂や無機質な素材を使用し、水草や隠れ家を配置して繁殖に適した環境を提供します。水温: 22-28°C（72-82°F）の水温が理想的です。照明: 明るい照明を好みますが、シュリンプはあまり強い光を好まないため、適度な明るさに保つことが重要です。
繁殖のためのコンディショニング
食事: 高品質のシュリンプ専用フードや、野菜（特にほうれん草やカボチャ）を与え、健康的な状態を保ちます。
水替え: 定期的に水替えを行い、水質を清潔で安定させます。特に繁殖前には水質の安定が非常に重要です。
繁殖
繁殖: ピノキオシュリンプは、適切な環境で繁殖が自然に進みます。オスがメスに対して色鮮やかにアピールし、繁殖行動を示します。
卵: メスは水草や隠れ家に卵を産みつけます。1回の繁殖で約20-30個の卵を産むことがあります。
親の移動: 親シュリンプが卵を食べないように、繁殖後に親魚を別のタンクに移すことが推奨されます。
稚魚のケア
孵化: 卵は約2週間で孵化します。
食事: 稚魚にはインフューゾリアや微細な餌（ブラインシュリンプ）を与えます。
水質: 稚魚のタンクでは清潔で安定した水質を維持することが非常に重要です。水質が悪化すると、稚魚が死亡する原因となります。
重要な考慮事項
年齢: ピノキオシュリンプは通常、3-4ヶ月で繁殖が可能になります。
性別の見分け方: オスは鮮やかな色を持ち、メスよりも小さめです。メスは比較的大きく、繁殖期には腹部が膨らみます。
ストレス: 魚に過度のストレスを与えないようにし、安定した環境で繁殖を促進します。