サッカー
Gastromyzon spp.
特徴と行動
外見：体長は約5〜7cmで、扁平な体と吸盤状の腹部が特徴。岩に張り付き、小型のエイのような外見を持つ。体色は地味だが、斑点模様や迷彩柄で個体差がある。
性格：非常に温和で争いを避けるタイプ。主に底面やガラス面に張り付いて過ごす。
生息地
分布：ボルネオ島（マレーシア領、インドネシア領）など
環境：清流・急流の川の岩場に生息。水温は低めで酸素量が豊富な環境を好む。
飼育個体数
単独〜複数（複数飼育可だが隠れ家必須）
好む餌
水槽面や石についた藻類、バイオフィルム
沈下性のプレコタブレット、冷凍赤虫、茹で野菜（ズッキーニ、ほうれん草）なども可
十分な藻類がない場合は人工飼料で補う必要あり
【行動】
強い吸着力で流木やガラス、石に張り付いている
水流の強い場所を好み、水流に逆らって移動する行動も多い
夜行性傾向もあり、昼間は岩陰でじっとしていることもある
【特別なケア】
水流をしっかり作ることが必須（流水魚）。水槽には循環ポンプや外部フィルターが有効
酸素供給を兼ねたエアレーションを強めに行う
高水温には非常に弱いため、夏場は冷却ファンなどで管理が必要
底床は細かい砂利や滑らかな石など、吸着・移動しやすい素材が望ましい
【他の魚との相性】
相性 内容
◎ オトシンクルス、ラスボラ・エスペイ、小型テトラ、コリドラスなど
△ 活発すぎる魚や競食する魚（プレコ、大型ローチ類）とは注意
× 高温を好む熱帯魚、大型肉食魚、底面を占領する魚種とは不可
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: ボルネオ・サッカーの繁殖には、最低でも20ガロン（約75リットル）の水槽が推奨されます。水槽には水草や小さな岩を提供し、隠れ場所を作ることでストレスを減らし、リラックスできる環境を整えます。水質パラメーター: 水は中性〜弱アルカリ性（pH 6.5-7.5）、硬度は4-12 dGHが理想的です。フィルター: 水流は強すぎないように、穏やかなスポンジフィルターを使用します。ボルネオ・サッカーは静かな水流を好むため、穏やかな水流を保つことが重要です。底砂: 細かい砂や小石を使用し、卵が底に付着できるようにします。温度: 水温は24-28°C（75-82°F）の範囲で維持します。照明: 明るい照明を使用し、昼と夜のサイクルを12時間ずつ保つことが重要です。
繁殖準備
食事: ボルネオ・サッカーには高品質なフレークフードや生きたエサ（ブラインシュリンプや赤虫）、冷凍エサを与えます。栄養価の高い餌を与えることで、健康的な状態を保ち、繁殖準備を整えます。
水換え: 水質を安定させるために、定期的に水換えを行い、水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。
スポーニング
繁殖時間: ボルネオ・サッカーは、温暖な水温（24-28°C）で繁殖が活発になります。通常、早朝や水温が適温で繁殖が見られます。
卵の数: メスは1回の産卵で数十個の卵を産むことがあり、卵は岩や水草に産みつけられます。
親の管理: 産卵後、親を取り除くことが推奨されます。親が卵を食べることがあるため、卵を守るために親を別タンクに移すと良いでしょう。
稚魚の世話
孵化: 卵は約24〜48時間で孵化します。
餌: 稚魚にはインフューソリアや微細なブラインシュリンプを与えることができます。
水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが必要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保ちましょう。
重要な考慮点
年齢: ボルネオ・サッカーは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。
性別の判別: オスはメスより小さく、体が細長く、鮮やかな色を持ちます。メスはやや太く、繁殖期には腹部が膨らんで見えることがあります。
ストレス管理: ボルネオ・サッカーは群れで生活するため、過度なストレスを避け、群れを維持することが繁殖成功のカギとなります。