チョコレート・グラミー

Sphaerichthys osphromoides

特徴と行動

名前の通り、チョコレート色の体にクリーム色や金色の縦縞が数本入る小型の美麗種。

他のグラミーと異なり、やや神経質でおとなしい性格。

雌雄共に似た見た目だが、**オスがマウスブルーダー(口内保育)**を行う。

呼吸補助器官「ラビリンス器官」を持ち、水面近くでも呼吸可能。

 

生息地

東南アジア(ボルネオ島、スマトラ島、マレー半島)

ピートスワンプやブラックウォーター域の非常に軟水・弱酸性の環境に生息

 

適正飼育数

ペアまたは3~5匹程度のハーレムが理想

好む餌

活イトメ、ブラインシュリンプ、ミジンコなどの生餌を好む

慣れれば冷凍赤虫や高品質な人工飼料も食べるが、餌付きには根気が必要

絶食しやすいため、状態の良い個体選びが重要

【行動】
非常に温和で臆病、水槽内で静かにホバリングしていることが多い

他魚にいじめられやすく、ストレスを受けやすい

オスは口内で卵を保育する「マウスブルーディング」を行う珍しい性質がある

 

【特別なケア】
ブラックウォーター(ピートやアーモンドリーフ)環境推奨

流れは極力抑え、静かなレイアウトを意識

フィルターは弱流タイプ+スポンジが理想

照明は暗めにし、浮き草や水草で光を遮ると落ち着く

水質変化に非常に弱いため、換水は少量頻繁(10~15%/週2回)

低温・高硬度・急な水質変化=死亡の原因になるため、安定第一

 

【他の魚との相性】
最適:ラスボラ、ネオンテトラ、ピグミーコリドラス、オトシンクルスなど超温和魚のみ

非推奨:スマトラ、ベタ、グッピーなど活発またはヒレをつつく魚

 

ブリーディングセッティング

別のブリーディングタンク: チョコレートグラミーの繁殖には、最低でも20ガロン(約76リットル)のタンクが推奨されます。水質パラメーター: 水は柔らかく、硬度1-4dGH、pH5.5-6.5が理想的です。ろ過: 非常に穏やかなろ過が必要です。水流が強すぎると、魚にストレスを与えるため、スポンジフィルターや弱い外部フィルターを使用します。底砂: 底には細かい砂や無機質な素材を使用し、水草や小さな隠れ家を配置して繁殖に適した環境を提供します。水温: 26-30°C(78-86°F)の水温が理想的です。照明: 明るすぎない照明を提供します。水槽の中で少し暗い場所を作り、グラミーが隠れられるようにします。

 

繁殖のためのコンディショニング

食事: 高品質なライブ餌や冷凍餌(特に赤虫やブラインシュリンプ)を与え、繁殖のために健康的な状態を保ちます。

水替え: 定期的に水替えを行い、良好な水質を保ちます。特に繁殖前には水質の安定が非常に重要です。

 

繁殖

繁殖: チョコレートグラミーは通常、静かな環境で繁殖します。繁殖期には、オスがメスに対して求愛のダンスを行います。

卵: メスは水草の葉に卵を産みつけます。1回の繁殖で50-100個程度の卵を産むことがあります。

親の移動: 親魚は卵を食べないことがありますが、稚魚を守るために繁殖後に親魚を移すことが推奨されます。

 

稚魚のケア

孵化: 卵は約2-3日で孵化します。

食事: 稚魚にはインフューゾリアや非常に小さなブラインシュリンプを与えます。

水質: 稚魚のタンクでは、清潔で安定した水質を維持することが非常に重要です。水質の急激な変化が稚魚に悪影響を与えることがあります。

 

重要な考慮事項

年齢: チョコレートグラミーは通常、1-2年で繁殖可能になります。

性別の見分け方: オスは鮮やかな色合いを持ち、メスよりも小柄で細長いです。メスは比較的大きく、繁殖期には腹部が膨らむことがあります。

ストレス: チョコレートグラミーは非常に敏感な魚であるため、過度のストレスを避け、安定した環境を提供して繁殖を促進します。

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