ドクターフィッシュ
Garra rufa

特徴と行動
外見:体長は5〜10cm。灰色〜褐色で地味な見た目をしており、体は細長く、吸盤のような口を持つ。
通称由来:「ドクターフィッシュ」は人間の皮膚の角質をついばむ習性に由来し、スパや温泉施設などで有名。
性格:温和で、他の魚を攻撃することはない。昼間も夜間も活動する。
生息地
分布:トルコ、イラク、シリア、イラン周辺の淡水域(ユーフラテス川流域など)
環境:中東の温泉や小川、水流のある場所に生息。比較的高温に適応している
飼育個体数
5匹以上(群れでの飼育が理想)
好む餌

コケやバクテリアフィルム、沈下性タブレット
湯通し野菜(ズッキーニ、きゅうり)、ブラインシュリンプ
飼育下では人工飼料にもすぐ慣れる
【行動】
平和的だがやや活発:他魚に干渉することは少ないが、角質をつつく行動は他魚にも行うことがある
吸盤状の口でガラスや石、水草につく藻類を舐めるように食べる
群れで行動し、単独では落ち着かない傾向がある
【特別なケア】
ろ過装置を強化し、水流のある環境を用意すると自然な行動が見られる
水温はやや高めをキープ(28℃前後)
スキンケア目的で手や足を入れるのは衛生管理を徹底した別システムが必要(通常の観賞飼育とは区別すべき)
病気の予防には定期的な水換えが不可欠
【他の魚との相性】
比較的混泳可:温和なコリドラス、小型テトラ、ラスボラなどと相性良好
攻撃的な魚(シクリッド系、大型肉食魚)は避ける
他魚の体表に近づく習性があるため、臆病な魚とは注意して観察すること
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: ドクターフィッシュの繁殖には、最低でも20ガロン(約75リットル)の水槽が推奨されます。水槽には隠れ場所(小さな岩や水草)を提供して、ストレスを減らす環境を作ります。
水質パラメーター: 水は軟水で、硬度は4-12 dGH、pHは6.5-7.5が理想的です。
フィルター: スポンジフィルターを使用し、水流が強すぎないようにします。穏やかな水流が繁殖に最適です。
底砂: 細かい砂や小石を使用しますが、卵が底に付着できるようにします。
温度: 水温は24-28°C(75-82°F)で維持します。
照明: 明るい照明を使用し、昼と夜のサイクルを12時間ずつ保つことが重要です。
繁殖準備
食事: ドクターフィッシュには生きたエサや冷凍エサ、フレークフードを与え、健康的な状態を保ちます。特に栄養価の高い餌を与えることで、繁殖の準備が整います。
水換え: 水質を安定させるために、定期的に水換えを行い、水温やpHの急激な変化を避けます。
スポーニング
繁殖時間: ドクターフィッシュは通常、早朝や水温が適切な時期に繁殖します。
卵の数: メスは1回の産卵で数十個から100個程度の卵を産むことがあります。卵は水草や岩に産みつけられます。
親の管理: 産卵後、親を取り除くことが推奨されます。親が卵を食べることがあるため、卵を守るために親を別のタンクに移すと良いでしょう。
稚魚の世話 (
孵化: 卵は約3-5日で孵化します。孵化した稚魚は非常に小さいので、初期の段階では慎重に扱います。
餌: 稚魚にはインフューソリアや微細なブラインシュリンプを与えます。
水質管理: 稚魚が成長するためには、清潔な水質を保つことが重要です。水換えを頻繁に行い、安定した水質を保ちましょう。
重要な考慮点
年齢: ドクターフィッシュは通常、1-2年で繁殖が可能になります。
性別の判別: オスは体が細長く、色が鮮やかな傾向があります。メスはやや太く、丸みを帯びた体形をしており、繁殖期には卵を抱えることがあります。
ストレス管理: ドクターフィッシュは水質に敏感で、ストレスに弱いです。過度なストレスを与えないようにし、安定した環境を提供することが繁殖成功のカギとなります。