エンゼルフィッシュ

Pterophyllum scalare

特徴と行動

外見:体高が高く、三角形に近い縦長の体型と優雅に伸びたヒレが特徴。色や柄のバリエーションも豊富(マーブル、ゴールデン、ブラック、アルビノなど)。

性格:基本は温和だが、ペア形成や繁殖期には縄張り意識が強まる。個体差も大きい。

 

生息地

分布:南米(アマゾン川・ネグロ川・オリノコ川など)

環境:流れの緩やかな熱帯雨林の河川、沈水植物の多いエリアや水草の茂った浅瀬

 

飼育個体数

 単独〜数匹(複数飼育時は広めの水槽で)

好む餌

人工飼料(浮上・沈下タイプ両方対応可)

冷凍赤虫、ブラインシュリンプなど動物性の餌も好む

幼魚〜若魚期は高タンパクでこまめな給餌が発育に効果的

 

【行動】
中層〜上層をゆったりと優雅に泳ぐ

成熟ペアは葉やガラス面などに卵を産み付ける(育児も行う)

広めのスペースがあればヒレを美しく広げて泳ぐ様子が観察できる

【特別なケア】
ヒレが大きく繊細なため、フィンをつつく魚との混泳は避ける

高さのある水槽や浮草・広葉の水草を設置すると落ち着きやすい

繁殖時にはペアが他の魚を威嚇するため、隔離水槽を用意するのが理想

 

【他の魚との相性】
相性 内容
◎ コリドラス、小型プレコ、オトシンクルスなど底棲・穏やかな魚
△ 小型テトラ(食べられるサイズの場合)やベタとは注意
× フィンをかじる魚(バルブの一部、スマトラなど)や大型魚とは不可

ブリーディングセットアップ

ブリーディングタンク: フレッシュウォーター・エンゼルフィッシュの繁殖には、最低でも30ガロン(約114リットル)の水槽が推奨されます。水槽には十分な水草や隠れ場所(岩やシェル)を提供し、リラックスできる環境を整えます。水質パラメーター: 水は中性〜弱アルカリ性(pH 6.5-7.5)、硬度は6-12 dGHが理想的です。フィルター: 水流は強すぎないように、穏やかなスポンジフィルターを使用します。エンゼルフィッシュは静かな水流を好むため、穏やかな水流を保つことが重要です。底砂: 細かい砂や小石を使用し、卵が底に付着できるようにします。温度: 水温は24-30°C(75-86°F)の範囲で維持します。照明: 明るい照明を使用し、昼と夜のサイクルを12時間ずつ保つことが重要です。

繁殖準備

食事: フレッシュウォーター・エンゼルフィッシュには高品質なフレークフードや生きたエサ(ブラインシュリンプや赤虫)、冷凍エサを与えます。栄養価の高い餌を与えることで、健康的な状態を保ち、繁殖準備を整えます。

水換え: 水質を安定させるために、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。水温やpHの急激な変化を避けることが重要です。

 

スポーニング

繁殖時間: フレッシュウォーター・エンゼルフィッシュは、通常、温暖な水温(24-30°C)で繁殖が活発になります。繁殖期には、オスとメスがペアを組んで共同で卵を産みつける場所を選びます。

卵の数: メスは1回の産卵で100〜1000個の卵を産むことがあります。卵は水草や岩、ガラス面に産みつけられます。

親の管理: 産卵後、親を取り除く必要はありません。エンゼルフィッシュは卵を守り、孵化後も稚魚を育てることが多いですが、他の魚による卵の食害を避けるため、親が他の魚と一緒にいる場合は別タンクに移すと良いでしょう。

 

稚魚の世話

孵化: 卵は通常、2〜3日で孵化します。

餌: 稚魚には非常に細かいインフューソリアやブラインシュリンプを与えることができます。

水質管理: 稚魚が健康に成長するためには、清潔な水質を保つことが重要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保ちましょう。

 

重要な考慮点

年齢: フレッシュウォーター・エンゼルフィッシュは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。

性別の判別: オスはメスより細長く、より鮮やかな色を持ち、繁殖期には腹部が少し膨らみます。メスはやや丸みを帯び、腹部が太くなります。

ストレス管理: エンゼルフィッシュは群れで生活しますが、繁殖期にはペアになることが多いため、過度なストレスを避け、ペアが快適に繁殖できる環境を提供することが重要です。

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