ピノイ・ブルーゼブラ・エンゼルフィッシュ

Pterophyllum scalare

特徴と行動

「ピノイ(Pinoy)」はフィリピン系統のブリーディング血統を指し、深いブルーとメタリックな輝きが魅力。

「ゼブラ」は体に縦縞が入る模様遺伝子で、ブルーの体色にブラックの縞模様がくっきり映える。

ヒレは長く優雅で、中~大型水槽の主役として人気が高い改良エンゼル品種。

性格は基本的に温和だが、ペア形成や繁殖期には多少の縄張り争いがある。

 

生息地

自然界には存在しない人工改良品種

原種は南米アマゾン川水系

 

適正飼育数

3匹以上(ペアか奇数群泳が安定)

 

好む餌

フレーク、ミニペレット、冷凍赤虫、ブラインシュリンプなど

雑食性で、色揚げ効果のある高タンパクフードも効果的

ゆっくりとした泳ぎでも餌をよく見て追う知性がある

 

【行動】
中層〜上層を優雅にホバリングしながら泳ぐ

仲間との序列を形成する傾向があるが、激しい争いは少ない

ペアになると産卵・口移し・稚魚保護など美しい繁殖行動が見られる

【特別なケア】
**高めの水槽(高さ40cm以上)**が好ましい(体高とヒレが長いため)

水草レイアウトとの相性が良く、自然風アクアリウムに適す

pH変動や高硝酸塩濃度にはやや敏感なので、定期的な水換え(週20〜30%)が必要

照明の色温度によって青の発色が変わるため、ライトの調整で美しさが引き立つ

 

【他の魚との相性】
◎:ネオンテトラ(大きめ)、ラスボラ、グラミー、コリドラス、オトシンクルス

△:ベタ、スマトラなどフィンバイターとは非推奨

×:稚魚や極小エビ類は捕食対象になる可能性あり

 

繁殖セットアップ

ピノイ・ブルー・ゼブラ・エンゼルフィッシュの繁殖には、最低でも30ガロン(約115リットル)のタンクが推奨されます。タンク内には岩や流木を配置し、水草を置いて隠れ場所を提供します。エンゼルフィッシュは比較的大きな魚で、隠れられる場所が必要です。水は中程度の硬度(6-12 dGH)、pHは6.5-7.5が理想的です。水温は26-30°C (78-86°F)が最適です。水流が強すぎないように、穏やかなろ過装置を使用することが推奨されます。過度な水流はストレスを与え、繁殖を妨げる可能性があります。細かい砂や小石を底砂として使用します。水草やシェルターを配置して、魚が落ち着いて繁殖できる環境を作ります。水温は26-30°C (78-86°F)に設定します。明るい照明を使用して水草の育成を促進します。強い直射日光は避け、穏やかな明るさで魚がリラックスできる環境を作ります。

 

繁殖準備

高品質のフレークやペレット、ライブ餌(ブラインシュリンプ、ミジンコなど)を与えて健康状態を維持します。繁殖期には特に高タンパク質の餌を与えることが重要です。水質を安定させるために定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。繁殖前には水換えを行い、水質が最適であることを確認します。

 

産卵

ピノイ・ブルー・ゼブラ・エンゼルフィッシュは水温が安定していると繁殖を開始します。オスはメスに対して求愛行動を行い、メスを巣に誘います。オスはメスを巣に誘い、産卵を促します。メスは数十個から100個以上の卵を産むことがあり、卵は水草や岩の隙間に産み付けられます。オスは卵を受精させ、その後卵を守ります。親魚は卵を守り続けますが、他の魚が卵を食べないようにするため、親魚が卵を守れる環境を提供することが大切です。

 

稚魚の世話

卵は約3-4日で孵化します。孵化した稚魚は最初は非常に小さく、親から保護されながら成長します。稚魚にはインフゾリアや非常に細かいブラインシュリンプを与えます。稚魚が成長してきたら、少しずつ他の餌を与えていきます。稚魚用タンクでは水質を清潔に保ち、酸素供給を十分に行います。水質が悪化すると稚魚が死んでしまうことがあるため、特に注意が必要です。

 

重要な考慮事項

ピノイ・ブルー・ゼブラ・エンゼルフィッシュは通常、1歳半から2年で繁殖が可能になります。オスはメスよりも小さく、色が鮮やかで、ひれが長く広がっています。メスはオスよりも大きく、繁殖期には腹部が膨らんでいます。エンゼルフィッシュはストレスに敏感で、過密飼育や急激な環境の変化は繁殖に悪影響を与えることがあります。安定した環境と適切な水質が繁殖を促進するため、非常に重要です。

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