スパイラルホーンスネール
Tylomelania sp.
特徴と行動
外見：直径1.5～2.5cm前後の小型巻貝。螺旋状（スパイラル）に伸びた突起（ホーン）を持ち、個体によって色や模様が異なる（黒地に黄色の縞模様、斑点など）。
性格：温和で水槽内の藻類や微細なバイオフィルムを食べてくれる掃除屋タイプ。
行動：主に昼間に水槽面やレイアウト素材を這いながら活動。比較的活発で、コケの発生場所に素早く移動する。
生息地
分布：東南アジア〜東アジア沿岸部（フィリピン、インドネシア、ベトナム、日本南部など）
環境：河口〜汽水域を含む淡水域。水草のある流れの緩やかな場所に生息
飼育個体数
1匹からでも可（60cm水槽に3～5匹が適量）
好む餌
水槽内の茶ゴケ、緑藻などの藻類
足りない場合は補助的に**プレコタブレット、湯通しした野菜（ズッキーニなど）**を与えても可
【行動】
平和的。他魚・他の貝類とトラブルを起こさない
水槽内を這いながらガラス面や水草の葉をきれいにする
たまに水槽から脱走しようとするため、フタは必須
【特別なケア】
フタ付き水槽で脱走防止（特に導入初期に多い）
貝殻形成に必要なカルシウム供給を意識（カトルボーン、ミネラル添加剤など）
水質の急変・低pHにはやや弱い
多くの種類は淡水下では繁殖不可のため、水槽内で爆発的に増える心配が少ない
【他の魚との相性】
非常に良好。小型魚・エビ・他の貝などと問題なく混泳可能
フグや大型シクリッドなど、貝をつつく魚は避ける
ブリーディングセットアップ
ブリーディングタンク: スパイラルホーン・スネイルの繁殖には、最低でも5ガロン（約19リットル）の水槽が推奨されます。水槽には隠れ場所や藻類が育つスペースを提供し、快適な環境を整えます。水質パラメーター: 水は中性〜弱アルカリ性（pH 7.0-8.0）、硬度は6-10 dGHが理想的です。フィルター: 水流が強すぎないように、スポンジフィルターを使用します。スネイルは穏やかな水流を好みます。底砂: 細かい砂や小石を使用します。スネイルは底に潜り込むため、柔らかい砂が最適です。温度: 水温は22-28°C（72-82°F）で維持します。照明: 通常の照明で問題ありませんが、過度に強い光は避け、自然な昼夜サイクルを保ちます。
繁殖準備
食事: スパイラルホーン・スネイルには藻類、野菜（ズッキーニやキャベツ）、および高品質なスネイル用フードを与えます。多様な食事を提供することで、健康的に育てます。
水換え: 水質を安定させるため、定期的に水換えを行い、清潔な環境を保ちます。
スポーニング
繁殖時間: スパイラルホーン・スネイルは通常、環境が整うと年間を通じて繁殖します。水温が安定していることが繁殖のポイントです。
卵の数: スパイラルホーン・スネイルは1回の産卵で数十個から100個以上の卵を産むことがあります。卵は水草や岩、ガラス面に産みつけられます。
親の管理: 卵が産み付けられた後、親を取り除く必要はありません。スネイルは卵を食べることはなく、放置しておいても問題ありません。
稚貝の世話
孵化: 卵は約1週間で孵化します。稚貝は非常に小さいため、初期の段階では慎重に扱うことが必要です。
餌: 稚貝には微細な藻類やインフューソリアを与えます。
水質管理: 稚貝の成長には清潔な水質が重要です。水換えを定期的に行い、安定した水質を保つようにします。
重要な考慮点
年齢: スパイラルホーン・スネイルは通常、6ヶ月以上で繁殖が可能です。
性別の判別: スパイラルホーン・スネイルは雌雄同体であるため、1匹のスネイルでも繁殖が可能ですが、複数匹を飼育することで繁殖の成功率が高まります。
ストレス管理: スネイルはストレスに弱いため、過度なストレスを与えないように注意します。安定した水質と穏やかな環境を提供することが繁殖の鍵です。